現代アニメ批評-アニメをさらにおもしろく-

現代アニメのストーリー面を主に批評していくブログです。自分の着想や視角をアニメーションをよりおもしろく観る「補助線」として書き綴っていきます。

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『シャングリ・ラ』:アニメの中で分断される世界

シャングリ・ラ』(別所誠人、テレビ東京系など、2009.4-)、『バスカッシュ』(板垣伸(河森正治原作)、TBS系、2009.4-)、『カイバ』(湯浅政明、WOWOW、2008.4-7)

■2000年代(ゼロ年代)以降のアニメにおける世界設定へのメモ

■2008年~2009年の三作品『シャングリ・ラ』『バスカッシュ』『カイバ』では、いわば上層と下層に分断された世界設定用いている。下層世界の住民は貧しく、しかし、最後の一片の良心をもつという清貧なイメージを付与させられるのはよく用いられ、手塚治虫『メトロポリス』などでも用いられているオーソドックスな設定でもある。

■そのクリシェを除いて考えてみた場合、08-09のこの3アニメには、「上下」の対話、または下層のみじめさ以上の嫌らしさも描こうとしている。

■『シャングリ・ラ』では下層世界の住民が下層にとどまることを望み、抵抗運動への非難が描かれていた。今後の進展がどうなるかは不明だが、「くじ引き」によって上層世界へと「選ばれる」システムは示唆的でもあり、そういう管理システムには注目したい。

■『バスカッシュ』では、下層世界の混沌とした感じを描くまでにしかとどまっていないがこちらも期待してみてみたい。

■『カイバ』では、下層・上層を越えたところに「記憶」と要素を介在させて、普遍的な視点を勝ち取ろうとしている。また、記憶が共有物(公的資源?)となって、全存在がネットワーク化され平等になったはずの世界にも下層・上層が存在している。この点ももう少し考えてみる必要があろう。


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テーマ:シャングリ・ラ - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2009/04/25(土) 21:37:30|
  2. 理論
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アニメ批評の成立しにくさ

■二ヶ月ほどアニメ批評を継続的に書き綴ってきて、その批評の難しさを痛感する。今まで見てきたアニメもメモ程度なら書き残してきたが、ブログで記事にするとなるとメモ・レベルではなく、少なくとも文章の体を整えねばならない。この叙述上の問題点以上に以下の点が深刻だ。

■アニメ自身、テレビドラマと同様にほぼ毎週放送されるので長時間にわたる批評対象になるということも批評を難しくしている原因の一つだ。

■加えて、過去の作品に振り返ってそれを吟味するという時間的または精神的余裕は、スピード効率化された現代消費社会においてはかなりの骨折り作業と感じられてしまう。ネットの速度も影響している。私の感覚的には、全てが流れ去っていくように感じる。

■以上の問題点をどう克服していくかが重要だが、今のところ、いくつかの記事を修正・再掲したりすることで何とか対処していきたいと思う。

テーマ:映像・アニメーション - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2007/08/06(月) 09:01:13|
  2. 理論
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「大人」のための童話絵本としてのアニメーション

■「大人」の世界は厳しく、その込み入り様や虚偽、欺瞞は途方もなく大きい。そんな世界(社会)に「子供」がいきなり飛び込み生活をせねばならぬとしたら、そのストレスはトラウマになりかねない。そんな社会システムの中で「子供」から「大人」を架橋する表現媒体として登場してきたのが童話や絵本だ。アニメーションはもともと、童話+絵本的要素を備えた表現体として生を受けているといってよい。

『精霊の守り人』(1)の記事でも書いたが、「大人」も当然、概念の一類型に過ぎず、二十、三十歳になっても「子供」的要素が抜けきらない人間はたくさんいる。かくいう私も胸を張って、「子供」的要素を払拭したなんて口が裂けても宣言できない。たとえば、「子供」な人にありがちな例をあげると、幼少期の万能感を引きずり、自分の思うようにならなかったらやる気をなくしたり、理屈をすっ飛ばし感情的になってしまうことなどである。

■また、はじめに子供のトラウマ(精神的外傷)について触れたが、何もそれは14歳前後に訪れるだけのものではなく、何歳になっても、社会との摩擦でのショックや記憶を用いた自己定義の刷新などが生じている。思春期に起きる揺れは子供(少年期)だけに限ったものではない。

■話をアニメに戻すと、私はここで、アニメーションを視聴する年代が高年齢化しているを幼児化している大人とは定義したいわけではない。前にも書いたようにアニメーション自体が高度化していると主張する方に組したいと思う。

■そこで高度な表現手段である良質なアニメーションは、実は大人のための絵本童話的要素を秘めている。子供だけに迷いやショックに対する治癒(指針の提示、カタルシスなど)が特権化されているわけではないからだ。

続く…

テーマ:映像・アニメーション - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2007/07/06(金) 09:40:45|
  2. 理論
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「セカイ系」を考えるとき(1)

■本ブログでは「セカイ系」を、登場人物とその空間(空気)との関係性において把握してきた。それが、この多義的な新語を操る上での第一歩であるように思えるからである。

Wikiなどで多くの説明がなされているが、その中で一つ立場を表明すると、私はエヴァの項で触れたように「セカイ系」は『エヴァンゲリオン』から発するものだと考えている。ただ、Wikiの他の説明文については、興味深いし同意もできるが、メディア論や社会学の専門家でない私は、もっと単純なところから「セカイ系」を考えてみたい。

■本ブログでは「セカイ系」をアニメの文化史的側面と、映像文化で忘れてならない視聴者との(一方的ではあるが)相互性から理解し、定義したいと思う。

■アニメの文化史的側面から考えると、「セカイ系」とは勧善懲悪的世界観からの脱却であると考えられる。つまり、セカイの「敵」=「悪の象徴」であるという単純図式をかなり意図的に脱却した作品をセカイ系作品と呼びたい。そこでは、「敵」や「悪」の概念は曖昧である。その中では、主人公(たち)の主観性からくる葛藤や悩みが描かれる。この意味ではかなり広義の「セカイ系」を支持していることになる。

■また視聴者との相互性の問題からすると、思春期を中心として人生の中に絶えず訪れるような、現実世界での自己と世界の葛藤を主人公を通じて追体験させるという作品がセカイ系であると考える。ただ、そこにあるのは、単純な感情移入とは異なっている。たとえば、多くの勧善懲悪作品の場合、自己の強大さや万能感の増大を担保するものが主なモチーフであった。しかし、「セカイ系」の主人公たちには相矛盾する感情を持って見つめる「視聴者のまなざし」が向けられているように思う。ひとつは、セカイの命運を握っているのは私だという万能感の保持(気持ちいい、同化)、そしてもうひとつは、セカイとの衝突によって自己の痛みを感じること(気持ち悪い、異化)である。

■つまり、視聴者に向けては、絶えず視聴の欲望を駆り立てながらも、「難題」を投げかける「キモチ痛い良い」ものが「セカイ系」アニメーションであるように思う。つまり、多くの現代アニメがこれに当てはまるのではないだろうか。

■そこで本ブログでは、視聴者とつながっているセカイをどうアニメが表現しているかを私はこれからも取り上げていきたい。これを批評することこそが、アニメ批評とアニメの良質化を結びつける道だと思うからだ。

テーマ:映像・アニメーション - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2007/07/01(日) 23:40:42|
  2. 理論
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はじめに

■日本の現代アニメーションは活況を呈しているといってよいだろう。ただし、その大多数が消費欲望を満たすための道具だが、中には優れたアニメ作品が存在している。
これには幾分、映画やテレビドラマが同一テーマ、表現形式の再生産に完全に陥ってしまっていることが影響しているといえる。日本の映像文化のポピュリズムは危機的状態である。特に新たな視点の欠如やいくつかのタブーの存在とそれに抵触することを極端に拒否する状況は異常といってよい。
そんな状況の中で、アニメは映像表現の残された実験的活動域として重要な位置を占めていると考えたい。
  1. 2007/06/13(水) 06:18:24|
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Author:anicri
批評によって「アニメをより面白く」がモットーです。
色んな角度からアニメを観る試みをしたいと思っています。

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