現代アニメ批評-アニメをさらにおもしろく-

現代アニメのストーリー面を主に批評していくブログです。自分の着想や視角をアニメーションをよりおもしろく観る「補助線」として書き綴っていきます。

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自身で掴み取るということ。:『電脳コイル』(2)

『電脳コイル』(磯光雄、2007年)
(ネタバレあり。)

■『電脳コイル』は、「子供の世界」を大切にした良作であった。NHK教育で放送されていた点も重要だが、決して子供をバカにしたような作りではなく、子供の視線を大切にストーリー化できたことが素晴らしい。

■「子供の世界」とはつまり、主人公ヤサコが幾人(匹)かに助けられながらも最後に自分自身で見出した「大切なもの」だ。「子供の世界」と書くと幼稚な類のものと誤解されやすいが、自分自身の大切なものや気持を発見するという年齢に関係ない行為を意味したい。

■第24話「メガネを捨てる子供たち」以降のヤサコの悩みによってクライマックスに向けて、このことが明確化されてくる。そのなかで、印象的なシーンのうちのひとつが、お母さんの言葉「見えないものではなく、手で触れるものをを信じなさい」というもっともな「お説教」に対して、ヤサコは違和感を覚えていく過程だ。

■このように「親の言葉=正しく人を導く言葉」としてよく描かれるが、主人公たちにとってはそれを疑問視し、自分にとっての「正しさ」を自身で、しかも他者との関わりの中で見つけ出した過程を描いたことは何よりも評価されるべきであろう。

■仮想世界であってもそれがその人の心の中で重要な位置をしめているならば、「真」であるというメッセージは、磯監督が色々と関わった『ラーゼフォン』においてもすでに示されていた。しかし、本作品ではもっと強烈なメッセージとして一少女が自分の生きる指針を痛みを伴いつつ手に入れる過程をうまく描いているのではないだろうか。

■自分自身で大切なものを苦しみながらも発見し、自身の身として成長するという行為は、当然ながら大人になってからでも必要な生活のプロセス(もしくは糧)である。
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テーマ:映像・アニメーション - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2008/01/08(火) 02:07:37|
  2. 電脳コイル
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子供と電脳世界の問題性?:『電脳コイル』(第8話まで)

『電脳コイル』(磯光雄、2007年)

■『電脳コイル』には、電脳世界に「不思議」を見て心躍らせる気持ちが丁寧かつ緻密に映し出されている。アニメーションとしての不思議さとワクワクさせる気持ちも十分に盛り込まれていて、現在までで序盤を見ただけだが、素晴らしい出来だと思う。

■だが、シビアに2007年の現実を考えると、電脳世界とは、現時点で目の前のパソコンの画面であり、このアニメのように決してその画面を飛び出してはいない。本作品に登場する子供たちは、結局は町や森や神社に「実際に」赴き、冒険している点は見逃してはならないように思う。

■町や森に電脳世界を投影するのは、これからの「動く電脳時代」には実現可能なのかもしれない。しかし、このSF的な予測をよく考えてみれば、結局は「管理下」の自由を享受するということである。たとえば、電脳と生活世界が結びつく近未来の予測にこういうものがある。それは、携帯などに埋め込まれた個人情報により、子供はいわゆる歓楽街の近くの駅では下車することができないシステムを構築することなどだ。そこでは「してはいけないこと」という倫理的自己判断よりも、「できないこと」という不可能性が上位に来てしまっている。

■このような現況で、このアニメ内の世界のように20年後の子供はこれほどまでに逞しく、また、「自由」を作り出していく余地があるのだろうか?

(2007年12月30日加筆)

テーマ:アニメ - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2007/12/30(日) 02:18:54|
  2. 電脳コイル
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「身近な萌え」に潜む恐怖:『ひぐらしのなく頃に』

ひぐらしのなく頃に』『ひぐらしのなく頃に解』(今千秋、2006・2007年)

■『ひぐらしのなく頃に』は、「萌え」とホラーサスペンス要素を混在させた作品である。

■人は自分の日常性の中に潜むものをもっとも恐れる。遠くの国で戦争が起こっていても、遠い町で殺人事件が起こっても、それらは世間話として消費する対象にすぎない場合が多い。これは、一種の想像力の欠如として片付けてもよいし、一方で、そう考えないと精神を安定させ正常ではいられないという心理的予防も働いているともいえるだろう。

■『ひぐらし』が人気を博した理由は、萌え系キャラが豹変したり、謎の死を遂げたりする点にあるといってよいだろう。そこで平和的ユートピア的な精神世界としての「萌え」が「おそろしきもの」へと変貌するところにホラーがある。

■「萌え」が、視聴者にとってまさに親近的なものとして意識されてる限りにおいて恐怖を呼び起こす。ストーリー面などお世辞にも質が高いとはいえない本作品が人気を得ていることこそが、「萌え」の広範化を示すバロメーターとして捉えうるだろう。

テーマ:ひぐらしのなく頃に解 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2007/09/17(月) 00:19:29|
  2. 電脳コイル
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批評によって「アニメをより面白く」がモットーです。
色んな角度からアニメを観る試みをしたいと思っています。

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