現代アニメ批評-アニメをさらにおもしろく-

現代アニメのストーリー面を主に批評していくブログです。自分の着想や視角をアニメーションをよりおもしろく観る「補助線」として書き綴っていきます。

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『けいおん!』への相似をどう活かすか?:ソ・ラ・ノ・ヲ・トのPV



■各所で『けいおん!』への類似を指摘されているアニメ『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』(2010年1月よりスタート)だが、アニメノチカラという新プロジェクト、つまり、マンガや小説原作をもたない「オリジナル」アニメを作る試みである点に注意しながら、今後の期待を書きこみたい(往々にして期待外れになるが…)。

■アニメーションはもともと剽窃、パロディを主軸としながら表現の様式をひろげてきた。その中で、『ソラノオト』が『けいおん!』に似ていようとも、逆にその差異に注目する方が建設的なのではないか。たとえば、本作は戦争(もしくは戦後の荒廃)をテーマとしている。この点で『けいおん!』とは違った表現の可能性が開かれているし、『けいおん!』をオリジナルとしつつも、そのメッセージの明確化や差異化がおこなわれていけば、物語重視の視聴者にとっては、それでOKなのではないだろうか。
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  1. 2009/12/28(月) 08:44:32|
  2. 戦争とアニメ
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『戦場のヴァルキュリア』:フィクションと死

『戦場のヴァルキュリア』(山本靖貴、2009年)

■『戦場のヴァルキュリア』、ついに終わったが、やはり「戦場」を冠する資格のないアニメに終わった。つまり、フィクションだからと言って「人の死」をコケにし続けたことで、ストーリーそのものも平衡感覚を欠いたものとなってしまった。それが各所のキャラクターの「薄さ」に繋がっていた。

■キャラクターに一種の独立したオーラ(一回性のアウラ?)が備わる時に、その作品の登場人物に惹かれるのであり、主人公グループだから戦場でなんでもアリ的な展開になってしまうとストーリーの締まりがなくなってしまう。逆に「イサラの死」も無駄に話数を消費しただけで、重みのないものとなってしまった点も象徴的だろう。

■今クールはキャラクターの心理を丁寧に描いた作品(『青い花』、『東京マグニチュード8.0』(の終盤だけ))とか、があっただけに、『戦場のヴァルキュリア』でもそこの点を期待したのだが…。
  1. 2009/09/27(日) 03:06:54|
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『夏のあらし!』第6話まで:表現の不可能に迫る

『夏のあらし!』(新房昭之監督、2009.4-、テレビ東京系)

■『夏のあらし!』は原作者曰く、「昭和っぽさ」を前面に出したい作品だということである(本作品第一巻)。そこで、昭和と切り離せない出来事として、「戦争」とくに民間人への空襲を持ってきた点は重要である。実は戦後、つまり昭和を生きた人のほとんどは、戦争を「大陸での戦闘」と「空襲被害」として記憶してきた。特に、経済復興の華々しさとセットになって語られるのは、「空襲の焼跡」であった。そのコントラストは昭和社会に埋め込まれた傷のようなものである。こういう意味で空襲は、昭和社会にとってかかさざる要素であり、その死のタブー化という暗部として機能していた。

■第6話では、空襲シーンが描かれている。そこでは主要登場人物以外の「民間人」は「影」として描かれ、その表情は隠される。つまり、そこは表現不可能なのだ。しかし、その影から視聴者がは恐怖や「どうしようもなさ」を感じ取ることができる。空襲を体験していないほとんどの視聴者は、そのシーンを「思い起こす」ことは不可能であり、「感じ取る」しかない。

■そして、爆撃シーンでは音の描写にこだわり、そこで一気に場面の中心は、空襲を体験する潤の内面だけの描写に迫られる。今までの反戦メッセージの込められた空襲アニメ(ガラスのうさぎなど)は、「空襲のリアルさ」をアニメという媒体で表現しようと必死であった。しかし、『夏のあらし!』では個人の内面だけに焦点を当てることにより、アニメのウソっぽさ、つまりどれほどリアルに描いても描ききれないものを描写しようという試みている。

■よって、空襲シーンでは死体が描かれるのではなく、気持の悪い赤と黒の模様などが描かれるのである。これもまた空襲そのものではないが、その表現の不可能性を自覚しつつ、その不可能性にせまる表現として非常に優れているといえる。


テーマ:夏のあらし! - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2009/05/16(土) 01:27:06|
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『まりあ✝ほりっく』:ものすごいメッセージ

『まりあ✝ほりっく』(新房昭之、テレビ東京系列など、2009.1-3)

■『まりあ✝ほりっく』(以下、『まりほり』)は、マンガ原作で気鋭の新房監督アニメだ。その独特な脚色で有名なこの監督だが、本作も「見せる、魅せる」ことに徹底した演出であった。

■ここで一番注目したいのは、オープニング曲「Hanaji」の演出である。曲の勢いもカッコ良くて(シャッフルリズム)いい感じだが、OP中に流される画像とメッセージと歌詞の関係に特に注目したい。

■歌詞は主人公、宮前かなこ(百合趣味、もっといえば同性愛者)の気持ちをストレートに歌詞に載せ、アニメ主題歌としては王道を行くくらいの立派なものだ。OP動画中には、ある語句がフラッシュして何度も映し出される。例えば、まず、"Life is Beautiful. Flower is Beautiful"という表現。花は、「百合趣味」「女性」などを示し、それが生きることが素晴らしいにつながり、"No More War""Love and Peace"のメッセージで非戦を歌う。実はすべてはつながっていて、百合趣味、レズビアンでもそれは生き方として肯定され、また、その勢いで戦争「なんか」も吹き飛ばしているのである。※もちろん、かなこと鞠也の「戦争」も表現しているわけだが。あと、H→Sketch→One Touchも懐かしい。

■くそ真面目に「生き死に=戦争」を語るのではなく、「好きなものは仕方ないでしょ、それを楽しく肯定して生きていけばいいじゃん」という、サブカル的な立場のメッセージが放たれている。こういう明るさは現代日本の平和運動や女性解放運動に残っているだろうか?1968年前後の学生運動やその後のウーマンリブでも、ジョン・レノンたちが歌で「平和」をうたったことには言葉を超えた何かがあったのに、すでにそれを忘れ去っているのではないか、などと語っているようだ。

■このようにカウンターカルチャーを用いた強烈な批判は、おそらく製作者サイドの意図したものだろう。また、この意味でも、アニメという表現を通じて『まりほり』は一段と深まっている良作である。、これは新房監督の現在監督作品『夏のあらしっ』にも色濃く映し出されている。この作品についてはまた考えたい。





まりあ†ほりっく OP(2話から)

テーマ:まりあ†ほりっく - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2009/04/29(水) 02:20:24|
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戦場のヴァルキュリア:「戦場」の中途半端

『戦場のヴァルキュリア』(山本靖貴、TBS/テレビ東京系列、2009.4-)(第二話まで、※2009.6.16追記)

■『戦場のヴァルキュリア』は、ヨーロッパをモチーフとした世界の戦争ものアニメである。時代的には戦車と銃兵が活躍するので19世紀以前の民兵(ミリシア)の要素と、機械戦争化した第一次大戦のミックスといった感じだ。

■全体的にのっぺりとした印象がする画面とストーリー。まるで勧善懲悪の少年マンガをハイクオリティな画像で見せられている気味悪さを感じる。それは、「戦場の・・・」と題しながらも戦場のリアルを全く無視しており、戦場という空間を描けていない。

■クリントイーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』では、「パン屋が戦争に行くようになったら、(その社会)は終わりだ」というメッセージが放たれていたが、本作品ではまさにパン屋が民兵として戦地に赴く、まさに「崩壊社会」なはずなのだ。しかし、その悲惨さや不気味さは暗喩としても今のところ登場せずに、みなが「(必死だが)のんきに戦争」をしているのである。しかも戦闘機などの機械兵器だけによる現代戦なら少しは理解できるが、基本的には銃撃戦を展開するようだ。血と肉が飛び散る戦場であるはずなのに、そこを全く描かないことは、この作品の不気味さなのである。さらに、下手に画面の質が高いだけにより不気味さを増している。

■ここで言いたいことは、どこぞのPTAのごとく、アニメで戦争をクリーンに描きそれを助長するような作品を禁じろという主張ではない。アニメはフィクションなのは当然のことだ。そうではなくて、戦場のリアルさを明に暗にどう表現するかは、個人的にはその作品テーマと不可分なその質自体を決定すると考える。ゆえにこの観点から本作品は非常に低レベルであり、こう言う幼稚な描き方をするならば、むしろ『ストライクウイッチーズ』みたいな表現にするか、正義のために戦うヒーローといったジャンプ漫画的モチーフでよかったのではないか。


テーマ:戦場のヴァルキュリア - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2009/04/26(日) 16:38:16|
  2. 戦争とアニメ
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批評によって「アニメをより面白く」がモットーです。
色んな角度からアニメを観る試みをしたいと思っています。

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