現代アニメ批評-アニメをさらにおもしろく-

現代アニメのストーリー面を主に批評していくブログです。自分の着想や視角をアニメーションをよりおもしろく観る「補助線」として書き綴っていきます。

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正常と異常と架橋する「嗜好」:Darker than Black(2)

『DARKER THAN BLACK-黒の契約者-』(岡村天斎監督)
解析不可能な異常領域「地獄門(ヘルズ・ゲート)」の出現により、本当の“ 空” を失った東京。
それと呼応するように現れたのは、特別な能力を身につけた者たちだった。
能力を得る代償として、人間らしい感情が希薄になり、人を殺めることさえ冷徹に行う彼らを、人々は畏怖を込め、「契約者」と呼んだ。
(公式HPより一部抜粋)

現在、第14話まで視聴
DARKER THAN BLACK


■本作品の重要な設定が、契約者の契約とその「対価」だ。契約者は超人的な能力を手に入れる代償として必ず何かの行動を行わねばならない。

■代償行動は、契約者によって様々だ。たとえば、「ビールを飲む」や「石を並べる」、そして「詩を読む」という行為から「異物を飲み込み吐く行為」や「自分の指の骨を折る」などである。

■『Darker…』では、「契約者」は感情をなくした殺人鬼としての異常者として定義されている。しかし、この正常と異常の境界線は、主人公の黒(ヘイ)を通じてぼかされている。彼は「感情」を持っているが如くに描かれているからだ。

■そこで、私が重要なキーワードとなると考えるのが「対価」の存在である。「対価」はいわば強迫的な「嗜好、趣味、癖」であると理解することができよう。

■一般的に「嗜好」は誰もが持つものであり、それが、たとえば極端に「自分の指の骨を折る」などになった場合には異常とみなされる場合が多い。ただし、たとえば「石を並べる」は異常行為と思えばそうかもしれないが、趣味や癖の類だとも思える。むしろ、嗜好自体が「異常」「正常」の境界を横断して存在しており、それを決定しているのは社会的な定義や法律といった制度であることに気づかされる。

■自分の感情を喪失し夢を見ることがなく、たやすく人殺しをする「異常」な存在である「契約者」は、嗜好という行為を通じて、「人間らしさ」を保っているのかもしれない。そしてそうであるからこそ、逆に「人間らしい」。

ブログ内リンク:閉ざされた空間とテクノロジーの魔物:『Darker than Black』(1)

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テーマ:DARKER THAN BLACK -黒の契約者- - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2007/07/10(火) 19:02:30|
  2. Darker than Black
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閉ざされた空間とテクノロジーの魔物:『Darker than Black』(1):空とアニメ(5)

『DARKER THAN BLACK-黒の契約者-』(岡村天斎監督)
解析不可能な異常領域「地獄門(ヘルズ・ゲート)」の出現により、本当の“ 空” を失った東京。
それと呼応するように現れたのは、特別な能力を身につけた者たちだった。
能力を得る代償として、人間らしい感情が希薄になり、人を殺めることさえ冷徹に行う彼らを、人々は畏怖を込め、「契約者」と呼んだ。
(公式HPより一部抜粋)

現在、第12話まで視聴:今回は主に第11話~12話について。
DARKER THAN BLACK


■現在、放送中のアニメ『DARKER THAN BLACK』だが、ほぼニ話で構成される小ストーリーが絡み合って大きなテーマへと向かっていく流れだ。その中で重要なのが「ゲート」であり、これは東京内にできた異空間だ。その中では物理法則も異なっている。

■さて、空間を分けるという発想は現代アニメにはよく見られる設定だ。例えば、『ラーゼフォン』でも東京だけが異空間(異なる時空間でもあった)になるという設定だった。

■テクノロジーを支えるいわゆるサイエンス(科学)は、もともと分科学という意味であり、「分ける」ことがその原義でもある。

■アニメ内のフィクションとしての空間分断は、象徴的な意味合いを持っている。フィクションであるがゆえに、そしてアニメーションだからこそ大胆に空間を分断することができる。例えば東京はよく分断されたり、破壊されていたりする(笑)。『DARKER』でも謎のゲートでは物理空間も異なるが、地球自体が成層圏によって特殊空間化されている点にも注目したい。そこでは「星は見えず」、紛い物(?)の星は主人公の黒(ヘイ)をはじめ契約者(能力者)の活動や運命とシンクロしている。

■本作品の空間分断は、テクノロジーを以って細部まで「分け続けた」人類の直面したひとつの問題系が象徴されている。人は「異空間」としてのゲートの中でしか夢を見ることができない。生の領域の反転がここには表現されている。

■これから、本作品がこれからどう「ゲート」、「契約者」、そしてゲート外の人間像を描き出していくかに注目したい。

※2007年6月23日修正を加え再掲載。

テーマ:DARKER THAN BLACK -黒の契約者- - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2007/06/23(土) 08:12:52|
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批評によって「アニメをより面白く」がモットーです。
色んな角度からアニメを観る試みをしたいと思っています。

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