現代アニメ批評-アニメをさらにおもしろく-

現代アニメのストーリー面を主に批評していくブログです。自分の着想や視角をアニメーションをよりおもしろく観る「補助線」として書き綴っていきます。

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アニメ表現のひとつの到達点:『ゼーガペイン』

『ZEGAPAIN』(下田正美監督、2006年)
公式HP

■アニメは、実写と違い、戯画化されているのでフィクションであることがより自明なものとして表現される。
その点をうまく利用したのが本作品であり、これを実写化したりしても、アニメーションとして到達できた表現はできないだろう。

■何が現実で、何が実体で、何が本物なのか。
ゼーガペインは、是こそが我が痛み=是我痛=ゼーガペインとして、「心の痛み」や「想い」こそが実であると独特のストーリー設定によってうまく伝えている。だからといって、身体をめぐる問題を無視しているわけではなく、ただ、「心の痛み」の重要性をうまく指摘しているのだ。

■OP曲の歌詞にもあるように、誰かの夢の中をさまよう自分。自分が思う誰か。その存在論を不思議な雰囲気を保たせながら描いている。

■ちなみに本作品は、夕方の時間帯で放送されていた。この点もアニメの深夜化が激しい中で評価できよう。

ZEGAPAIN


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テーマ:映像・アニメーション - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2007/08/23(木) 19:33:34|
  2. ゼーガペイン
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故郷を失った人類:『地球へ…』(2)

『地球へ…』(ヤマサキオサム監督、2007年8月現在放映中)
公式サイト

■『地球へ…』は、様々な意味で世代や時代を超えた名作だといえる。その大きなテーマのひとつが故郷の喪失だ。

■ミュウたちは、地球(テラ)を目指す。そこが人類の故郷だからだ。それ以外の理由は明確ではない。しかしだからこそ、地球を目指すことの意味そのものが浮かび上がってくる。

■また「故郷」とは母親でもある。母親の胎内から生まれないアタラクシアの住民たちは、生来、故郷を喪失している。第1話~2話では、ジョミーが自分の記憶が消去されることに対して抵抗するが、これも家族という故郷(替えがたい記憶)の喪失への反抗だと捉えることが可能だろう。

■このように「故郷」とは個人にとって交換不可能な場であり、科学発達による交換可能性の増大と人間の生の価値という、現代にも通じる観点が本作品にはちりばめられている。

テーマ:地球へ… - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2007/08/22(水) 20:16:42|
  2. 地球へ…
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なぜ子供たちは戦わねばならなかったのか?:『ぼくらの』(10)第19話まで

『ぼくらの』(森田宏幸監督、2007年8月現在放送中)
公式サイト

■いままで本ブログでは、『ぼくらの』を主にその死の表現と解釈について書いてきた。そこで、結末へ向かうにあたって、その「死」の意味を再度考えてみたい。

■命を動力源として作動するロボット(?)、ジアースに13歳の子供たちがパイロットとして登録された。負ければ地球の消滅、勝っても操縦者は死ぬという「必然的な死」を設定として、『ぼくらの』は衝撃的な作品として注目を集めた。

■必然的な死を迎えるにあたり、各パイロットである少年少女たちは、死に場所つまり死の意義を求めた。ここにこの物語のドラマである「痛さ」があった。

■しかし、その「痛さ」も残念なことに一回性、一個体の死の悲しさを物語で表現することの限界や、連続する「死」に視聴者が馴致してしまうことで希薄化しつつあった。

■そこで物語は、「親の死に様」へと展開していく。だが、未来ある子供の死ほど「痛さ」をうまく表現できるものはなく、親や大人の死はいわば「身勝手さ」が強調されることとなった。

■これから結末に向かって、ジアースをめぐる謎が明らかにされていくだろうが、その中で13歳の多くの死をどう埋め込んでいくか、どうまとめていくのかが注目されるところである。

■なぜ子供たちは戦って死なねばならなかったのか?この問いにどう答えるかを注視したい。

テーマ:ぼくらの - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2007/08/22(水) 20:03:13|
  2. ぼくらの
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「ちょっと見ない間につまんない女になったわね」:天元突破グレンラガン(4)第21話より

『天元突破グレンラガン』(今石洋之監督、2007年8月現在放送中)、公式HP
※現在21話まで視聴
■第21話は、初期からの登場人物で大きな役割を演じているヨーコに久々に焦点が当てられた話。

■彼女は、主要メンバー(グレン団)の多くが政府の要人になる中で首都を飛び出した人間の一人だ。その後、小島の学校の先生になっていたという設定がすばらしい。これによって彼女はまた成長した。

■「政府」の要人などになると、守るべきものが大きすぎて、逆に何も守れないという結果を導く場合がある。今回の話では、ヨーコとマシュウの対比にそれがよく現れている。

■そして、人間として一段階成長したヨーコは、ニアに向かって「つまらない女」になったと吐くのだが、これはまさにヨーコ自身が成長した自信の表れだ。

シモン以外の成長譚がここで語られ、物語はさらに充実した形で最終章にむかっていく。

・ブログ内関連記事
『天元突破グレンラガン』(1)~(3)

テーマ:天元突破グレンラガン - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2007/08/22(水) 05:49:24|
  2. 天元突破グレンラガン
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死の平凡化の具体例:『ぼくらの』(9)第18話

前回の続き…

※第18話より、ネタバレあり。

■死が平凡化したことは、具体的にコモダ議員(コモの父)とタナカの死をめぐる表現の仕方に端的に示される。

■コモダ議員は、自分の信念を貫くために死を選択するが、死の抵抗を諦めることに違和感が残ってしまう。娘が近々ジアースを操縦し、地球を守ることで死を迎えることは確かだが、その死後に残された夫人はいったいどうなってしまうのか。

■タナカの死に関しては、次回で掘り下げられると思うが、彼女の死の描写が手抜きであったという感を否定できない。これほどまでに「多くの死」をテーマとして扱っている本作品だが、後半に入って死の扱いが粗雑になってきている。

■多くの場合、死に至るまでの過程やその決意は描かれている本作品だが、死後の描写はおざなりにされている点は注意しておく必要がある。

テーマ:ぼくらの - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2007/08/17(金) 07:24:35|
  2. ぼくらの
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死の「平凡化」と窮屈なストーリー:『ぼくらの』(8)

『ぼくらの』(森田宏幸監督、2007年8月現在放送中)
公式サイト

■やはり、危惧していたとおりに死が慣性化してしまった。タナカ、コモダ議員の死が本話では扱われたが、象徴的意味すら持ち得ない「死」の表現になった。

■本作品は子供に注目するがゆえに、大人の「死」や、彼らの「死」に対する態度などへの注目が薄いのではないかと指摘したことがあるが、大人の死は子供以上に平凡化されてしまっている。これではやはり、大人への掘り下げは不十分であったといわざるをえない。

■そして最近の傾向として、相対的に子供への注目が薄まり、彼らが自らの死を「当たり前に」こなしていくという印象を受けてしまう。

■生活世界を取り巻く「政治」「メディア」「科学」「軍事」、いうなれば権力の恐ろしさが強調され始めているが、おそらく残話が少ない現状でこれらの各課題をまとめきるのは困難な作業だ。第二部に突入なんて可能性もあるが…

◇現在のストーリーを構成する各ファクターを簡単にまとめると…
・13歳の死
・ウシロとタナカの母子話
・コエムシたち兄妹の謎
→①「小さな」セカイ

・政治や軍、そしてメディアといった権力関係
→②「大きな」セカイ

・ジアースの存在の謎
(・コエムシたちの謎)
→物語り全体を終幕へ向かわせる決定的要素

①と②の軋轢をどう「謎」の解明と展開によって結びつけるかが見物だろう。

・ブログ内関連記事
『ぼくらの』(1)~(7)


テーマ:ぼくらの - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2007/08/15(水) 20:14:03|
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生き方を問う!:『地球へ…』(1)

『地球へ…』(ヤマサキオサム監督、2007年8月現在放映中)
公式サイト

・第17話「永遠と陽炎と」より

■ブルー亡き後のジョミーは、指導者として成長する。その際に発せられた言葉が、「人類が憎いわけではない。しかし、ミューの存在によって人類に『生き方』を問う」というものであった。

■これは直に現代の私たちの「生き方」をも問うているのだ。もちろん、これには答えなどない。つまりは現在進行形で私たちが問い続けている問題だ。このように「問うてくるアニメ」、これが結局は物語として長い期間親しまれ語り継がれるものとなる。これが、『地球へ…』が漫画原作から映画化、そして現代にまたアニメ化されるゆえんであろう。

テーマ:地球へ… - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2007/08/15(水) 07:26:58|
  2. 地球へ…
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革命の痛みは…:『ロミ×ジュリ』(6)

『ロミオ×ジュリエット』
romejuli_banner.jpg


※8月現在、19話まで視聴。
■ジュリエットは、ロミオの試み、つまり「希望を抱き生活できる世界」を創造するためにモンタギュー打倒を決意する。第19話ではそれを市民の支持を得た「革命」だとして描かれている。

■ロミオの試みはいわば土地に根ざした改良・改革の類であるのとは対照的に、ジュリエットはいわば流血を伴う革命を志している。

■現代アニメとして本作品を考えてみると、「革命」の痛みとその矛盾点を承知している私たちは、ジュリエット的解決法には先がないことを知っている。そうした観点から、今後、この革命が「恋愛」に吸収される形で曖昧に扱われることを危惧する。それでは勧善懲悪的な物語に恋愛をのっけただけの消費型物語の最低の形に堕してしまうからだ。

・ブログ内関連記事
『ロミオ×ジュリエット』(1)~(5)

テーマ:映像・アニメーション - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2007/08/15(水) 07:05:38|
  2. ロミオ×ジュリエット
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アニメ批評の成立しにくさ

■二ヶ月ほどアニメ批評を継続的に書き綴ってきて、その批評の難しさを痛感する。今まで見てきたアニメもメモ程度なら書き残してきたが、ブログで記事にするとなるとメモ・レベルではなく、少なくとも文章の体を整えねばならない。この叙述上の問題点以上に以下の点が深刻だ。

■アニメ自身、テレビドラマと同様にほぼ毎週放送されるので長時間にわたる批評対象になるということも批評を難しくしている原因の一つだ。

■加えて、過去の作品に振り返ってそれを吟味するという時間的または精神的余裕は、スピード効率化された現代消費社会においてはかなりの骨折り作業と感じられてしまう。ネットの速度も影響している。私の感覚的には、全てが流れ去っていくように感じる。

■以上の問題点をどう克服していくかが重要だが、今のところ、いくつかの記事を修正・再掲したりすることで何とか対処していきたいと思う。

テーマ:映像・アニメーション - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2007/08/06(月) 09:01:13|
  2. 理論
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「アニキ」ならどうする?:『天元突破グレンラガン』(3)

『天元突破グレンラガン』(今石洋之監督、2007年7月現在放送中)、公式HP

※現在、第19話まで視聴
■ストーリーが第3部、7年後の世界に入っても「アニキ」の存在感は十分に活かされている。つまり、第二部で「アニキの死」を受け入れ、自己の糧としたシモンだったが、第三部でもことある困難な場合には「アニキならどうする?」と問い続ける。

■ここでは、決して後ろ向きな問いとして表現されていない。シモンは自分で答えを出すしかないことを既に自覚している。しかし、第19話においても彼はこう問う、「アニキならどうする?」と。

■だが、シモンはアニキをもはや模範例(模倣例)とはしていない。ここではいわば参照項にしかすぎないのだ。例えば、「ニアはもう昔のニアではない」との確信とそこからの決意などがシモンには備わっている。

■これからも「アニキ」は参照項として幾度も登場するだろう。その際の「アニキ」とシモンのズレに注目したい。

テーマ:天元突破グレンラガン - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2007/08/05(日) 23:38:37|
  2. 天元突破グレンラガン
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停滞するストーリー:『ロミ×ジュリ』(5)

『ロミオ×ジュリエット』
romejuli_banner.jpg


※8月現在、18話まで視聴。
■古典作品を原作とした本作だが、12話前後から現在まで停滞した展開だった。その中では、ロミオの成長、ジュリエットの決意などが描かれていたが、緊張感のないストーリーが続いたといえる。何だか最終話までの時間稼ぎ的な話が多かったように思う。ここに原作物の功罪のマイナス面がまともに出てしまっていた。

■つまり『ロミ・ジュリ』の場合、固定されたストーリーの中で「恋愛」を主題として描くことの物語上の限界が露呈したといえる。「愛情」には親子愛などを含め様々な形態があるが、「恋愛」だけで引っ張るのは難しかったのではないだろうか。

■この点でも同製作会社の『巌窟王』がテーマとした「復讐心」の方がまだスリリングで視聴者をひきつけたのではないかと思う。

■しかしながら、まだラストまで数話残されており、「恋愛」の深みを提示するまでの余裕があることから、今後の展開に期待したい。

・ブログ内関連記事
『ロミオ×ジュリエット』(1)~(4)

romijuli2

テーマ:ロミオ×ジュリエット - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2007/08/04(土) 09:48:37|
  2. ロミオ×ジュリエット
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ルルーシュにとってのギアス:コードギアス(1)

『コードギアス』(谷口悟朗、2006~2007)
公式HP
人を操れる力、ギアスを手に入れたルルーシュの物語の第一弾。

エヴァ以来、アニメの一潮流をなしてきた「セカイ」系作品のバックラッシュ的作品。つまり、「セカイ」の大きさに戸惑い悩む主人公ではなく、「セカイ」そのものを主人公が変えていくという設定。

もちろん、その中に悩みや葛藤なども表現されるが、妹ナナリーの幸せという絶対的な目的は固定されている。これこそがルルーシュにとっての「ギアス」だといえる。

テーマ:コードギアス 反逆のルルーシュ - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2007/08/04(土) 09:31:27|
  2. コードギアス
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セカイが敵となるとき:REIDEEN(3)

『REIDEEN』(本郷みつる監督、2007年7月現在放送中)公式サイト
※現在、21話まで視聴。

■ここ数話で、宇宙からだけではなく地球内部の「敵=ヒト」が強調されている。以前から既に、自警隊という人間組織と超兵器REIDEENとの間の確執が描かれてきた。

■これはよく言われるように、「宇宙人がやってきても人類は一致団結するというよりも、その混乱から内部で抗争する」という、「宇宙人、人類協力」説を批判する視点であり興味深い。

■少し欲をいえば、REIDEENが圧倒的に強過ぎることは、このストーリー展開をしらけさせているのではないか。しかし、主人公の才賀淳貴の周囲の人物関係へと視点が移行している最近の話が、この「人間セカイ」が敵に回るということにリアリティを持たせている点は評価したい。

■物語上の大風呂敷を広げた観がある中で、最終話に向けてヒロイン碧野の扱いをどうするのだろうか?

テーマ:アニメ - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2007/08/02(木) 01:12:18|
  2. REIDEEN
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Author:anicri
批評によって「アニメをより面白く」がモットーです。
色んな角度からアニメを観る試みをしたいと思っています。

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