現代アニメ批評-アニメをさらにおもしろく-

現代アニメのストーリー面を主に批評していくブログです。自分の着想や視角をアニメーションをよりおもしろく観る「補助線」として書き綴っていきます。

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『ハチミツとクローバー』:青春論と時代背景

『ハチミツとクローバー』 (カサヰケンイチ監督、フジテレビ系列、2005.4-9)
『ハチミツとクローバーII』(長井龍雪監督、フジテレビ系列、2006.6-9)

青春が終焉してしまった現代(三浦雅士)。それにも関わらず、青春をテーマにした意欲作である。ただし、この作品内の青春はどこか冷めている。常に主人公たちが熱い言葉(くさい言葉)を吐いた場合には、それを冷却させるためのコマ(主にギャグ)が挿入される。何かを積極的に肯定するのではなく、否定形によってしか語ることのできないネガカルチャー(鈴木謙介)時代の青春を、ネガを通り越しさらに180度回転させ、最終的には1周回ってポジに語ろうとする姿勢が貫かれている。

■また、2000年代前半のいわゆる就職氷河期を色濃く反映した作品でもある。就職氷河期世代への痛烈な批判とエールが混在している。批判は建築事務所で働く真山の次のメッセージで表現される。

もし好きな女に何かあったときにさ。なにも考えずにしばらく休めっていえるくらいは、、なんかさ(お金を)持ってたいんだよね(ハチミツとクローバーII、第5話)

これはほろ苦い結末へのと接続する前フリになっている(この後に真山本人が「正直、くさかった」と述べる)。他方で、エールとしては「自分探し」という臭い行動を積極的に評価しつつ、「何かを見つける」、もっと正確には「すぐには何も見つからない」ことに気づくというシーンを用意している。

■時代のリアリティを可能な限り解毒しながらも、一部のメッセージを込めておく点で「伝えるアニメ(原作は漫画だが)」としての機能を保留している点が秀逸だった。


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テーマ:ハチミツとクローバー - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2009/04/20(月) 17:23:57|
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