現代アニメ批評-アニメをさらにおもしろく-

現代アニメのストーリー面を主に批評していくブログです。自分の着想や視角をアニメーションをよりおもしろく観る「補助線」として書き綴っていきます。

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『夏のあらし!』第6話まで:表現の不可能に迫る

『夏のあらし!』(新房昭之監督、2009.4-、テレビ東京系)

■『夏のあらし!』は原作者曰く、「昭和っぽさ」を前面に出したい作品だということである(本作品第一巻)。そこで、昭和と切り離せない出来事として、「戦争」とくに民間人への空襲を持ってきた点は重要である。実は戦後、つまり昭和を生きた人のほとんどは、戦争を「大陸での戦闘」と「空襲被害」として記憶してきた。特に、経済復興の華々しさとセットになって語られるのは、「空襲の焼跡」であった。そのコントラストは昭和社会に埋め込まれた傷のようなものである。こういう意味で空襲は、昭和社会にとってかかさざる要素であり、その死のタブー化という暗部として機能していた。

■第6話では、空襲シーンが描かれている。そこでは主要登場人物以外の「民間人」は「影」として描かれ、その表情は隠される。つまり、そこは表現不可能なのだ。しかし、その影から視聴者がは恐怖や「どうしようもなさ」を感じ取ることができる。空襲を体験していないほとんどの視聴者は、そのシーンを「思い起こす」ことは不可能であり、「感じ取る」しかない。

■そして、爆撃シーンでは音の描写にこだわり、そこで一気に場面の中心は、空襲を体験する潤の内面だけの描写に迫られる。今までの反戦メッセージの込められた空襲アニメ(ガラスのうさぎなど)は、「空襲のリアルさ」をアニメという媒体で表現しようと必死であった。しかし、『夏のあらし!』では個人の内面だけに焦点を当てることにより、アニメのウソっぽさ、つまりどれほどリアルに描いても描ききれないものを描写しようという試みている。

■よって、空襲シーンでは死体が描かれるのではなく、気持の悪い赤と黒の模様などが描かれるのである。これもまた空襲そのものではないが、その表現の不可能性を自覚しつつ、その不可能性にせまる表現として非常に優れているといえる。


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テーマ:夏のあらし! - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2009/05/16(土) 01:27:06|
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