現代アニメ批評−アニメをさらにおもしろく−

現代アニメのストーリー面を主に批評していくブログです。自分の着想や視角をアニメーションをよりおもしろく観る「補助線」として書き綴っていきます。

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『東京マグニチュード 8.0』:最低のファンタジーとアニメの敗北宣言

『東京マグニチュード 8.0』(現在、第3話まで視聴)

■『東京マグニチュード8.0』に絶望した。本作は題名のとおり「地震」を扱ったアニメであり、「ファンタジー要素」を取り除き、リアルを追求した作品とのことだ。ご丁寧に各話の最初に、「リアリティを追求」などの説明文も入るくらいである。

■これを「アニメ・リアル描写」の新次元だとも捉える方もいるだろうが、私はそうではない。できの悪い政府広報アニメか、平和教育アニメの要素が強い。以下、理由を述べたい。

■まず、リアリティを追求したのは「技術面」だけで、心情描写などは非常に薄っぺらで、主要人物以外は「障害物以外の何者でもなく」描かれる。これは「実際の」災害時に大切な人々の協力関係や連帯などを、本アニメは想定せず、それは「リアル」の埒外に置かれているのだ。とりあえず、第3話までなので、これに関しては以降の展開に期待したい。

■また、技術面のリアリティも疑わしい。OP曲中で破壊される、渋谷、東京大学、東京タワーなどの破壊はそれぞれの象徴するイメージと結びついている。たとえば、繁栄、権威などであり、東京タワーは「東京」そのものであろう。そして、作中ではレインボーブリッジなども崩壊する。しかし、いつまで経ってもフジテレビ社屋は傷一つないではないか・・・。むしろ、これはかなりの「ファンタジー」だ。ネット上のチェックがまだだが、おそらく多くの人が突っ込みを入れている点であろう。

■私が「アンチ・フジ」で、こういうことを意見するわけではない(実際にノイタミナ枠は良作が多い)。あくまで、フジの無傷である描写がこのアニメの出来の悪さに関連していると思うのである。それは、のっぺりとした単純図式、絵だけは凝っているが「見せよう」としすぎで、お腹いっぱいな感じになる画面構成などと通底している。つまり、目一杯で作っていて、表現の隙間や余裕がないのだ。逆にいえば、フジテレビ制作だから「自社屋を倒壊させるのはまずいだろう」的な考えが、おそらくはサッと通っているのだ。なぜなら、第3話最後の予告編前シーンで光り輝く無傷のフジテレビが映し出されており、「真面目に」災害を扱った態度とは思えない。そこでは、「不真面目」そのものがダメなのではなく、「真面目に作ろうとしているフリ(テーマやリアリティの追求という語)をしていて、真摯に表現していない」ことが救えない点なのだ。

テーマ:アニメ - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2009/08/08(土) 01:18:10|
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