現代アニメ批評-アニメをさらにおもしろく-

現代アニメのストーリー面を主に批評していくブログです。自分の着想や視角をアニメーションをよりおもしろく観る「補助線」として書き綴っていきます。

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止まることはできないならば想起せよ:『神霊狩Ghost Hound』

『神霊狩』(2007~2008年)

■先日終了した『神霊狩』だが、昨今のアニメーションとしてはかなりメッセージ性の強い部類に属する作品であった。

(以下、ネタバレあり)
■21世紀に入り、さらに大きくそして速く変化を遂げている分野がバイオテクノロジーであることは確かだ。とくに遺伝子をめぐる問題や、最近話題のES細胞研究などは生命観すらを大きく変えてしまえ兼ねない発明といえる。

■日本政府が巨額の助成金支出を決定した京都大学のiPS細胞研究なども同様である。すでに理論上では、ヒトはヒトのクローンを作ることができ、また、男性は男性単体で子供を産んだり(逆も)する可能性もある(『マクロス』の世界?)。生命観といえば、本作で出てきた、人の臓器だけを作りだす脳のない培養体などは、まさにどこまでが生命で、どこからが非生命であるかという問題を突き付けてくる。

■そこで通常登場するのが、哲学・倫理学者や社会学者などだが、本作『神霊狩』では人類学・民俗学などの観点から、この問題へとアプローチしている。つまり、科学技術の発展は、歴史が証明しているように不可避であり退行できないものであるならば、常に「想起」しつづけることが必要となるというメッセージである。何かを忘れてしまって、新たな時代に突き進むならばそれを本当に「進化」や「発展」といえるのかという問いもここから思い浮かんでくる。
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テーマ:映像・アニメーション - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2008/04/08(火) 01:04:49|
  2. 神霊狩
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